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11月20日
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中学生の頃読んだ、トーべ・ヤンソンの小説、「ムーミン・シリーズ」には不思議な雰囲気がありました。

「ムーミン谷の夏まつり」とかいう題名の本でも、賑やかさや華やかさとは程遠く、全編にそこはかとない寂しさが漂っているのです。

これが緯度が高く、夏の短い、北欧の土地が生み出す“何か”だと気がついてから、私は北欧の文化をヨーロッパとは切り離して考えるようになりました。

 

先日、聴いたコンサートでノルウェーの作曲家、グリーグのピアノ小曲が演奏され、透明感のある独特の響きに惹かれました。

そういえば、ベートーヴェンのラストソナタの聴き比べでも、アイナル・スターン・ノックレベルグトゥール・エスペン・アスポースなど北欧のピアニストの

演奏や、SIMAXという(ノルウェーの)レーベルの録音に惹かれたのも偶然ではない気がします。

個人の自我の強いヨーロッパに対して、(自然の厳しさゆえか)人の存在よりも自然への畏怖が感じられ、人や表現に謙虚さを与えるのかもしれません。

 

日本画の世界では、北欧=東山魁夷になっちゃっているので、なかなか(取材先としては)縁遠い上、物価が高く交通機関も少ないため、

個人旅行としては費用がかなりかかるそうなので敷居の高い北欧ですが、死ぬまでに一度は行ってみたいものです。